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新種のオランウータンが発見された!2017年11月4日の新聞やテレビニュースで報道されました。

オランウータン自体が絶滅寸前種に指定されています。全体で数万頭前後しかいないと考えられています。

そこに新しい集団が見つかったようです。

大規模開発が進んでいるとはいいますが、インドネシアの熱帯雨林は依然として未知なる自然の宝庫です。

それでも大型哺乳類が新しく見つかることは珍しいでしょう。彼らの生活が平穏であることを祈るばかりです。

オランウータンとは

1.オランウータンとは「森の人」

オランウータンとは、人間に近い大型類人猿の一種であり、霊長目ヒト科に属しています。

名前の由来は、現生息地であるインドネシアの言葉orang hutanです。

つまりorangは人、hutanは森を意味しており、オランウータンとは「森の人」です。

たぶん山に入った現地の人が、樹上で動く大型サルを見て、人に似ていると考えたのでしょう。

そこから森はオランウータンの場所、里は人の場所、先人はそうした線引きをして共存してきたようです。

これは日本の里山でも同じことです。

2.大きく2つの種に分かれていました

オランウータンは2つの種に大別されます。

ひとつはインドネシアのスマトラ島に住むスマトラ種、もうひとつはインドネシアとマレーシア、そしてブルネイがあるボルネオ島(インドネシアではカリマンタン島と呼びます)のボルネオ種です。

島同士が遠く離れているので、いわゆる地理的隔離によって種が形成されたと考えられています。

両種間の人為的な交配によって子供はできるようですが、寿命が短い、幼児死亡率が高いと言われており、別種ととらえるのが妥当です。

3.樹上生活をします

オランウータンの基本的な生態は、樹上生活です。

また幼子を連れたメス以外は単独行動をします。

密林とはいえお互いが出逢うことはほとんどないようです。そういう意味でも種を保つためには広い生息地、原生林が必要です。

野生動物に文句を言ってはいけませんが、毎日エサを求めて移動し、毎晩違った場所に寝床を作ります。一度使った寝床は使わないようです。

贅沢?とはいえ、そうして1000万年以上も生き延びてきたのです。

主なエサは果実ですが、木の葉や昆虫、小動物も食べる雑食です。

危険にさらされない限り、オランウータン側から人間を襲うことはありません。

マレーシアには、親とはぐれた子供のリハビリセンターがあります。そこで触れ合った経験から、大人しく人懐っこい隣人に思えます。

4.スマトラ島で新種が発見された

スマトラ島で、今までのオランウータンと骨の形や遺伝子型が異なる新種が発見されました。

生息地名からタパヌリ種と命名されたようです。

800頭前後いると推定されています。それでも絶滅の危険があります。

基本的な生態はこれまでのオランウータンと同じでしょうが、なぜスマトラ種と分化したのか、具体的な特徴は何か?

これからの調査によって明らかになるでしょう。

大型哺乳類が見つかるのは珍しい

今回の発見は、画期的なことです。

オランウータン自体の生息数が少ない、原生林の減少が訴えられる中での発見だからです。

同じスマトラ島ですが、森が分断されて地理的隔離により種が分化した可能性は高いでしょう。

参考「生きた化石シーラカンスの新種が確認されました

テレビニュースの映像を見る限り、これまでのオランウータンとは素人目にも違って見えます。専門家が見れば一目瞭然でしょう。

これほどの大型哺乳類が新しく見つかることは非常に珍しいと言えます。つまり大きければ人目に付きやすいからです。

科学的ではないかもしれませんが、未確認動物UMAはワイドショー的には盛り上がります。オランウータン自体も、昔から森の人と呼ばれてきたからです。

そういう意味では密林に未だ知られていない哺乳類、特に大型サルがいるかもしれません。

今狙い目のエリアは、これまで閉ざされていた国ミャンマーと言われています。多くの研究者が狙っているようです。とはいえ様々な意味で危険な地域です。

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昆虫や小型動物の新種は見つかっていない方が多い

本屋へ行けば様々な図鑑類が売られています。

昆虫の専門書を開けば、実に多様な種が記録されています。

「こんなに多くいるのか!」驚きですが、もっと驚くべきは、まだまだ知られていない、発見されていない種の方が多いといわれていることです。

私たちの身近、たとえば家の周りでも、見つかっていない昆虫やクモ、ダニ類がいると考えらえています。

もちろん出会える可能性は少ないでしょう。だからこそ見つからないのです。

それでも発見者として名を残すチャンスは誰にもあります。

特に昆虫類に関しては、アマチュアのマニアによって多くの新種が発見されています。虫好きの少年少女たちに、ぜひ探してもらいたいです。イグノーベル賞級の成果が得られるかもしれません。

たとえば、ブラジルの洞窟ではオスとメスの概念を覆す昆虫が見つかっています。2017年のイグノーベル賞を受賞しました。チャタテムシの一種ですが、どこのタンスの中にもいる昆虫なのに研究は進んでいないようです。

あなたの家の本棚の奥で進化が行われているかも?

参考「オスとメスの違いは何か?有性生殖は望ましい繁殖方法なのか

どんどん新種は生まれているはず

見つかっていない種とは言いますが、進化論が正しいのであれば、新種もどんどん生まれているはずです。

オランウータンのような世代交代が長い種でも住み分けによって種分化が起きます。

ならば1年で世代が変わる小さな虫、ネズミ程度の動物であれば、もっと簡単に新種ができそうです。

ただし進化論は本当に正しいのか?検証できてはいません。

もちろん化石を調べることにより違っているけど似ている生き物が見つかっています。しかし進化している瞬間を見た人はいません。

たまたま似た種がいた?状況証拠だけです。

参考「いまさら聞けない?進化に関する5つの誤解

ある宗教に属する人から「神様が様々な種を作り、その失敗作が化石として見つかっている」そう主張されました。これを科学的に論破できるのでしょうか。

種(しゅ)とは何か

種とは何か?

基本的な定義は「相互交配によって生殖能力を持つ子供が生まれる集団」です。

たとえばロバとウマの交配により子供は生まれます。ラバやケッティです。しかし、その子に繁殖能力はありません。そのためロバとウマは別種です。

種のでき方には、大きく2通りあります。

ひとつは今回考えられるような地理的隔離です。

氷河期に陸続きだったけど、温暖化によって海が深くなり隔てられた。または寒冷地を求めて高山に上って行った!森が分断された、などの理由が考えられます。

もうひとつは突然変異です。

遺伝的に相互生殖能力を失うことがあるようです。繁殖の仕組みとして、染色体の数、遺伝子の場所が違えば、受精卵が育たず、発生過程において死んでしまうからです。

なお人間は古くから人為的な交配によって多くの品種を作ってきました。

たとえばイヌなどの家畜類です。セントバーナードとチワワは交配可能であり、生殖能力を持つ子供が生まれます。そのためどちらも同じ種、イヌです。

スイス・チューリッヒ大学のチームが発見した?

今回の発見はすばらしいことです。日本の子供達も科学的関心が深まるかもしれません。

しかし、ちょっと気になることがあります。

それは発見して論文を書いたのがスイス・チューリッヒ大学のチームだったことです。なぜ現地の人ではないのか?

灯台下暗し!もあるでしょう。学術調査隊にありがちですが、どうしても「先進国」の学者が主体になります。

でも、なぜわざわざ海外へ行くのか?地元にも発見があるはずです。知的好奇心は大切ですが、現地の研究者たちも発表したかったのでしょうか。

参考「対馬でカワウソが38年ぶりに見つかった?研究者の責務は何か

かつて私が環境調査の会社に居た時の話ですが、自治体などから開発による影響評価の調査依頼が来ていました。

たとえば道路を作ったら周辺環境はどう変わるか?動植物に影響を与えるか?しかし報告書の結論は決まっています。影響なし!

参考「豊洲の地下水から高濃度のベンゼンが検出された?想定される3つの理由

もちろん環境に配慮した開発方法もあります。とはいえ全く影響しないなどと言うことはありえません。

逆に影響しない方がおかしいでしょう。そうした建前調査は少なくありません。

公にしたことにより、オランウータンは本当に守られるのか?心配です。

どこまで探求すべきなのか

私は、他人よりも知的好奇心旺盛と自負しています。だから塾講師をしているとも言えます。

とはいえ、様々なことを知るにつれ、人間には知らなくても良いことがある?そう思うことがしばしばです。

自然を調査して知る、世間に広めることが保護につながる?本当でしょうか。

研究者のエゴ、言い訳ではないのか?知らぬが仏!どこまで探求すべきなのでしょうか。

森の賢者(サピエンス)に尋ねてみたいです。

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