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土とは何でしょうか。街中では道路が舗装されており、マンション暮らしをしていると、土に触れる機会も減ります。そもそも土は何からできているのでしょうか。

植物が育つ!不思議な物質であり空間です。

昨今は家庭菜園ガーデニングが一般的になりましたが、その成否を左右するのが土作りです。

土について知ることは、植物そして自然を知ることになります。わたしたちが還るべき場所でもありますよ。

土は岩石が風化によって細かくなったもの

土とは何か?

元々は岩石であり、もっとさかのぼればマグマ、溶岩です。
太古の昔から蓄積され風化を受けて細かくなったものを土と呼んでいます。

風化には次のような方法があります。
参考「岩盤は固いとは限らない!福岡道路陥没の原因とは?岩盤とは何か

1.物理的風化

大きな力によって砕かれること、これを物理的風化と呼びます。

わかりやすい例は地震などの力です。大きな岩盤が割れて、断層になることが珍しくありません。

また雨風や海の波、滝などによって削られることもあります。

点滴石をも穿つ!
万年単位の期間によって大きな岩がマイクロメートル単位のサイズにまで細かくなります。

さらに岩石中に含まれる水分が力を発揮します。
その水が凍結すると体積が増えます。この力によって岩に割れ目が生じることも珍しくありません。これを凍結風化と呼びます。

もちろん氷点下にならなくても、温度変化が激しい地域では、岩石が膨張や収縮を繰り返します。それによって岩が砕かれます。特に砂漠地方などで顕著です。

2.化学的風化

化学変化によって岩石が細かくなる現象を化学的風化と呼びます。

この場合には元々の岩石に含まれる材質に影響されます。
たとえば鉄分が多い岩であれば、空気中の酸素と結合して酸化鉄を含んだ赤土になります。

また二酸化炭素が岩の中に含まれる水に溶けると酸性に傾きます。

日本では雨が多いので、一般的に土は弱酸性を示しています。そのため畑では石灰などを使い中和させることがあります。

一方で、貝殻の化石などに含まれる炭酸カルシウムが多いと土はアルカリ性に動きます。

なお、こうした反応は気温や地温が高いほど活発に進み細かくなっていきます。

3.生物的風化

土が細かくなってくると、そこに生物が住み着くようになります。

まずは少ない栄養でも育つコケ類が侵入します。すると栄養分や水分が蓄積されるので、単年性の雑草やダンゴムシなどの虫類が集まってきます。
参考「小笠原諸島の西之島で新たな生態系が始まります

定着した生物によってさらに土が柔らかく、かつ細かくなります。
つまり植物が根を伸ばすことにより土を砕きます。ミミズなどは土を食べて、糞として排泄することで土の性質を変えていきます。

もちろんその生物が死んで微生物によって分解され、栄養価が増し、新たな生物を呼び込むことになります。

このように自然状態では、土が繊細かつ豊かになっていきます。

土の物理的性質

1.通気性

良い土と呼ばれるものは、通気性に優れています。

つまり動植物が育つには酸素が不可欠だからです。もちろん人間から見れば密に詰まっていますが、植物が簡単に根を伸ばせるような柔らかさが求められます。

なお、種を埋めるときは、かぶせた土を強く押しつけてはいけません。通気性が悪くなり、種に酸素が行き渡らず、発芽できなくなります。最悪は腐ってしまいます。

2.水はけ

水はけの良し悪しも植物に大きな影響を与えます。水が足りないと植物が育たず、逆に水が溜まりすぎると根腐れを起こします。

この水はけは、粒の大きさと関係します。
土の粒が粗いと水はけは良いですが、水が溜まりにくいので乾燥しがちです。

わかりやすいのは砂場です。逆に粒が細かすぎると水が滞留します。
代表は粘土、いわゆる泥、そして田んぼや池も水はけが悪いので水が溜まります。

ただし植物によって水が多く必要な場合、あまりいらない種類などもあります。育てる植物に応じた水管理、土の性質が求められます。

3.粒の大きさ

土に関する学問を土壌学と呼びます。ここでは土の細かさを区分して名称を与えています。

たとえば粒径2ミリ以上を礫(れき)つまり小石です。

このほか、

  • 2~0.2ミリが粗砂(そさ)
  • 0.2~0.02ミリが細砂(さいさ)
  • 0.02~0.002がシルト
  • 0.002ミリ以下を粘土

と呼んでいます。

一般的に粘土は水を通しにくく、地下水は粘土層の上に溜まりやすくなっています。
参考「地下水とは何か?溜まる仕組み、利用法、問題点を知ろう
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土の化学的性質

1.肥料とは

植物の栽培に不可欠なのが肥料と呼ばれる化学物質です。
含まれる物質の違いによって土の化学的性質が異なります。とはいえ植物の種類によって必要な肥料分は異なります。

たとえば農業では、

  • 窒素
  • リン酸
  • カリウム

三大肥料と呼んでいます。これらはどの植物でも必須だからです。

ただし肥料とは、人工的に与える栄養分を意味します。

大きくは

  • 無機肥料
  • 有機肥料

に分かれます。
元々土には栄養分が含まれていますが、大量に作物を育てる場合には足りなくなるので、人為的に追加することになります。

ちなみにマメ科植物は、空気中の窒素を取り入れてくれる根粒菌と共生しています。そのため窒素肥料が少なくても生育できます。

雑草と呼ばれる植物たちは、芽生えた環境に適応します。言い換えると自分が必要とする栄養素がなければ、雑草魂があったとしても上手く生育できません。

2.無機物

無機物とは、主に単体の元素を意味します。
参考「夏休みに克服しよう!イオンとは何か?中学校理科の難題です

植物が生育する上で不可欠な元素は、

  • 窒素
  • リン
  • カリウム
  • 炭素
  • 酸素
  • 水素
  • カルシウム
  • マグネシウム
  • 硫黄
  • ホウ素
  • 亜鉛
  • マンガン
  • 塩素
  • モリブデン

16元素です。これらを必須元素と呼んでいます。

なお岩石の一般的な組成は、

  • 酸素49.5%
  • ケイ素25.8%
  • アルミニウム7.6%
  • 鉄4.7%
  • ナトリウム2.6%
  • カリウム2.4%
  • マグネシウム1.9%
  • その他

となっています。これに不足する分を肥料として追加することになります。

3.有機物

有機肥料、有機栽培などの言葉を見聞きすることも多いですが、有機物とは?
基本的に炭素を含む物質のことを意味します。ただし二酸化炭素や一酸化炭素は無機物になります。

かつては人工的に作れない物を有機物と呼んでいました。しかし、肥料として有用な尿素が工業的に製造可能となったため、有機の概念が曖昧になっています。

なお一般的に有機肥料と呼ばれるものは、

  • 家畜のフン
  • 枯れた植物体
  • 食品工場から出るカス

最近では残飯などを発酵させて作るケースも増えています。

植物は有機肥料を直接利用することはできません。土中微生物の働きによって長い年月を経て、無機質に変えてもらう必要があります。
言い換えると有機物だからといって安全なわけではありません。乱用すると、逆に根腐れなどを起こしがちです。注意しましょう。

4.pH

土の化学的性質で最も重要なのはpH(ピーエイチ)です。適切なpHにしないと植物は育ちません。

なお、かつては「ペーハー」と呼ばれていました。
参考「代表的な冬の花5種の育て方と土壌pHについて

ではpHとは何か?
酸性やアルカリ性の指標であり、水素イオン濃度と呼ばれます。

0~14まであり、

  • pH7が中性
  • pH7未満は酸性
  • pH7超がアルカリ性

になります。
参考「いまさら聞けない?酸性やアルカリ性とは何ですか

なぜ土によってpHが違うのか?

その土がある場所や利用方法でpHが変わるからです。

たとえば雨には二酸化炭素が含まれるので、日本では酸性の土になりがちです。
また有機物が多いと酸性に傾きます。そのため作物を作り続けると酸性が強くなります。
逆にカルシウムやマグネシウムが多い土はアルカリ性になります。

土の生物的性質

1.虫がいる

土の中に虫がいる!嫌かもしれません。
とはいえ虫が住める状態であれば、植物、そしてそこで暮らす人間にとっても好ましい環境であるはずです。
大量発生していれば問題ですが、適度なバランスが植物にとって良い生態系を築きます。

もちろん家庭菜園やガーデニングにとって虫はいない方がよいでしょう。葉、茎、根に穴を開けたり変色させるからです。
とはいえアブラムシを食べてくれるテントウムシやクモ類は益虫です。安易に殺虫剤を散くと、益虫も殺してしまいます。

2.微生物がいる

見えない敵?微生物がいることも重要です。
もちろん微生物も両刃の剣です。微生物は病気をもたらすからです。作物が腐るのも、微生物の働きです。

ただし逆にいないと困ります。つまり落ち葉などを腐らせて肥料分に変えてくれるのは微生物です。
殺菌剤や防カビ剤などを散布すると、レイチェル・カーソン女史の名著『沈黙の春』があなたの家にも訪れます。

3.病気を防ぐには

土が病原菌に汚染されたりアブラムシに襲われると、完全に除去することは難しいでしょう。防虫剤や殺菌剤などは限界があります。
逆に人間や他の生物にとっても有害です。
唯一可能な方法は、1メートルほど掘り起こし、作物を含めて土を焼くことです。

一方で病気の蔓延を防ぐためには、農家でも行われていることですが、同じ作物を続けて栽培しないことです。
たとえば「今年イネ科を植えたら、来年はマメ科を育てる!」
そうすることで害虫も混乱していなくなります。

土に関する法律もあります

土に関する法律もあります。たとえばマンション暮らしでガーデニングをしたい場合はどうするか?土をどこからか持って来なければなりません。園芸店で栽培植物に適した土を買うのがベストな選択です。

間違っても、河原などから土を勝手に持ってきてはいけません。
国や自治体が管理する土地であっても許可なく持ち帰れば、窃盗罪に該当します。もちろん他人の家の庭を掘り起こしてはいけません。

また海外から土を持ってきたり、土の付いた植物を持ち込んではいけません。
これは植物防疫法に抵触します。基本的に種子や果物を含めて植物全体もしくは一部を日本に許可なく持ち込んではいけません。

これは逆も同じです。
沖縄が日本に返還される前、高校野球の沖縄代表校の選手は、甲子園の土を持ち帰れませんでした。それくらい良さそうに思えますが、これが法律です。

土に触ってみましょう

土は汚いのでしょうか?汚いの定義も難しいです。
ノロウイルスが付着した真っ白なタオルと、滅菌消毒された泥の付いた白衣、どちらが有害なのか?
変なことにこだわらず、土に触ってみましょう。

触れただけで土の性質がわかるようになれば、ガーデニングも成功です。

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