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森と林の違いは何でしょうか?どれくらい以上の広さがあれば森になるのでしょうか。

森はさまざまな恵みを与えてくれます。日本人にとって森は身近な存在です。

しかし森について、あまりよく理解されていません。そこで一度じっくりと考えてみましょう。

森と林の違い

1.明確な定義はない

森と林の明確な定義はありません。面積や樹種などによる違いはありません。

とはいえ一般的なイメージとして、大きければ森、小さいと林かもしれません。

語源から考える

語源的に考えると、諸説ありますが、後述するように森は杜、守りに通じると考えられており、神様が宿る場所なら小さくても森と表現します。

逆に林は「生やす」から派生した?だから人の手が入った二次林以降を指すこともありそうです。

英語で考える

ちなみに英語で森はforestですが、小さな森をwoods(木材の複数形)やtrees(木の複数形)で表すこともあります。

ただし明確な大きさの定義はありません。

地理用語では

一方で地理用語としてのジャングルは、東南アジアやアフリカの熱帯雨林を指します。

南米アマゾン川流域にある熱帯雨林はセルパと呼びます。

2.人工的に作られると林

一般に流布している分け方として、手つかずの自然なら森、人工的に植えたなら林です。

たとえばスギ林、防風林などがあります。植林という言い方もあります。

これに関連して、樹種が多様なら森、特定の種類に限定すれば林、具体的には松林や竹林などです。

3.熟語としての「〇〇林」

熟語や専門用語としては森ではなく、林を使うことが多いようです。たとえば、自然林という言い方です。自然森とは言いません。

また陰樹林や陽樹林、熱帯雨林などです。発音的な理由かもしれません。

森ができるしくみ

1.気温と降水量で植生が決まる

森はどうやってできるのでしょうか。

基本的には植物の集まりなので、当該地域の気温と降水量で決まります。

寒い、もしくは乾燥していれば大木は育ちません。

しかし日本のように温暖で降水量が多い地域では、最終的に森が生まれます。そのため空き家が「ジャングル」と化している?珍しくないでしょう。

(1)気候区分

森ができるために重要な気候は、学校の社会もしくは地理で習いますが「ケッペンの気候区分」が有名です。

そこではまず年平均気温で分類します。つまり

  • 18℃以上がA気候
  • 18℃~-3℃がC気候
  • -3℃未満がD気候

です。

さらに降水量で分類し、

  • A気候は熱帯雨林気候とサバナ気候
  • C気候は地中海性気候・温暖冬季少雨気候・温暖湿潤気候・西岸海洋性気候
  • D気候は亜寒帯湿潤気候と亜寒帯冬季少雨気候

に分かれます。

E気候とB気候

なお最も暖かい月の平均気温が10℃未満の場合はE気候になり、ツンドラ気候と氷雪気候に分かれます。

一方で乾燥限界を超えた地域がB気候であり、ステップ気候と砂漠気候に分かれます。

日本の気候

ちなみに日本は、大きく考えると北海道が亜寒帯湿潤気候、本州以南が温帯湿潤気候に入ります。

(2)森ができる気候区分とは

上述した気候区分のうち、森ができるのは、まず熱帯雨林気候です。60メートルを超す高木も珍しくありません。

次に温帯地域、

  • 地中海性気候ではオリーブやコルクガシなどの硬葉樹林
  • 温暖冬季少雨気候ではカシやシイなどの照葉樹林
  • 温暖湿潤気候や西岸海洋性気候ではスギやマツなどの常緑針葉樹と照葉樹が混ざった混交林

になります。

そして亜寒帯湿潤気候と亜寒帯冬季少雨気候では、モミやカラマツなどの針葉樹からなるタイガと呼ばれる森林になります。

これ以外の気候では、雨または気温が足りないので森はできません。

2.日本の極相は陰樹の森です

地球上のほとんどの場所に植物は生存しています。南極大陸でも雪が解けると草が芽生えます。

そのため一定以上の気温と水があれば、植物はどんどん成長し、生態系が遷移(せんい)し、最終的には森ができます。

参考「小笠原諸島の西之島で新たな生態系が始まります

日本の多くの地域における極相、つまり最終的な生態は、陰樹の森になります。

つまり、少ない光でも生育できる樹木で満たされることになります。北海道でも森林が多い理由です。

ただし高山地帯では、降水量は雪として十分かもしれませんが、年平均気温が低いために高木は育たず、ハイマツなどのような低木もしくは草しか生えません。

ちなみに富士山では噴火して間もないためハイマツはなく、カラマツが樹高1メートル程度に低木化して広がっています。

3.陽樹の戦略

木の種類は、大きく陰樹と陽樹に分かれます。

生育に多くの太陽エネルギーを必要とするのが陽樹、逆に少なくても育つのが陰樹です。

もちろん両者間に明確な境界線、何らかの基準はありません。

陽樹が秋に落葉する理由

こちらもすべてではありませんが、陰樹の多くは冬でも落葉しません。

逆に陽樹は秋に落葉するタイプがほとんどです。この理由は何でしょうか。

生物学的に絶対とは言えないでしょうが、陽樹が成長するには十分な光が必要です。しかし親木が落葉しなければ、幼木に十分な日光が当たりません。

そのため冬の期間に幼木へ光を与えるために落葉すると考えることもできそうです。
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熱帯林を保護すべき理由とは

1980年代、東南アジアやアマゾン川流域では熱帯林の伐採(ばっさい)が急激に行われました。

その理由は、もちろん木材の利用、そして農業用地の確保です。とはいえ先住民のためではなく、商業的なプランテーションや牧草地のためです。

これによる環境破壊の影響を鑑みて、非政府組織NGO(Non Governmental Organization)と呼ばれるボランティア団体などが中心になり、熱帯林保護を訴えるようになりました。

そのおかげもあり、現在マレーシアやインドネシアなどは原木の輸出を禁じています。

とはいえ、なぜ熱帯林を保護すべきなのでしょうか。

1.二酸化炭素を吸収してくれる

熱帯雨林の保護は、環境問題を解決する方法の一つです。

具体的には、地球温暖化の原因とも言われる二酸化炭素を吸収してくれるからです。

見方によれば、

  • 熱帯雨林面積の減少
  • 空気中の二酸化炭素濃度の上昇
  • 平均気温の上昇

これらが密接にリンクしている、と考えられます。

参考「国内の二酸化炭素濃度が最高値?でも悪者なのか

国際的な反響があり、現在では製紙会社などの著名企業が中心となって、かつての熱帯雨林地域で植林活動が行われています。

今後は急激な熱帯林の減少はないと思われます。

2.森は生物の宝庫

森は多様性で成り立っています。複雑に絡み合った食物連鎖があります。

暖かい森ほど多くの動植物が住み、未だ発見されていない生物種が生息していると考えられています。

そのため一部の森林が消えることで、生態系のバランスが崩れることも珍しくありません。

具体的いえば、森が分断されると、オランウータンやゾウなどの大型生物の生息域が狭まり、急速に絶滅する危険があります。

参考「新種のオランウータンが発見された?種とは何か

また先住民などが利用してきた民間療法に用いる薬用成分も豊富に存在しています。

それらが新たな薬の原料になる可能性があります。違った国際間の火種になりますが、熱帯雨林は注目されています。

3.熱帯林は意外にもろい

熱帯林は豊かなイメージもあります。

しかし、表面を覆う土壌はラトソルと呼ばれ、酸性で鉄やアルミニウムの多い赤土であり、栄養素は少ないと言われています。

そのため植物は、自身の生物体に栄養を溜めています。だから高木になるのです。

参考「土とは何か?家庭菜園やガーデニングを成功させる秘訣は土を知ることです

したがって伐採などによって裸地になると、新しい植物の芽生えが難しいのです。

しかも、裸地が強烈な日射にさらされて風化しやすいので、森の再生が遅れると言われています。

この悪循環によって真反対の砂漠化が心配されています。

言い換えると熱帯雨林は、元々農業に向かない土地です。熱帯林を伐採して開拓した土地の生産性は低いようです。

先住民が工夫しながら行ってきた伝統的な焼畑農業とは根本的な違いがあります。

鎮守の杜(もり)とは

日本人にとって森は身近な存在です。日本の国土面積の約7割が森林です。

山に森がないと、なんとなく雰囲気がでませんね。とはいえ海外へ行けば、植物がほとんど生えていない山もあります。

身近という意味では、地方へ行けば必ずと言ってよいほど鎮守の森があります。この森は「杜」で表すこともあります。

そこには小さな神社があったり、祠(ほこら)だけが残っているパターンもあるでしょう。

都会であっても、ちょっと木の生い茂る場違い的なエリアがあります。そこにも祠やお地蔵さん、石塚などがあったりします。

変に手を付けると、作業員が怪我をする?たたりがある!

そうして残ってしまった的な場所も少なくないようです。

森とは、日本人が「まもる」ために残してきた地域なのかもしれません。

神様が宿る場所だからこそ、手をつけず、また調整しながら賢く利用してきたのです。

森とは何か

最初の定義に戻りますが、森とは何でしょうか?

文化によって異なるのでしょうが、日本人にとっては憩い・恵み・畏(おそ)れ、多様な思いが詰まった場所です。

そのため小さくても、大切な森なのです。

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