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史上最大級の寒波によって水道管が凍結した、破裂した、そんな被害が2018年1月下旬に東京で多発しました。

北海道など北国で生活する人にとっては当たり前の現象ですが、そもそもなぜ、水が凍ると水道管が破裂するのでしょうか。

その原理を考えてみましょう。

参考「もう困らない!水道管が凍結・破裂したときの対処法4つと、防止する方法

氷とは何か

氷とは、液体の水が固体になった状態です。

水も氷も、どちらも化学的にはH2Oで現わされる物質です。

地球上にある様々な物質には、液体から固体に変わる温度、すなわち凝固点があります。

水の場合は0℃です。

逆に固体から液体になる温度、つまり融点が決まっています。

こちらも同じく水の場合は0℃です。

とはいえ固体と液体の明確な定義はできません。実際には固体と液体の中間的な存在もありえるからです。

ただし細かいことを気にせず単純に言えば、

  • そのままで形を保っていられるのが固体(氷)
  • 流れるようになれば液体(水)

です。

参考「ネコは液体か?固体・液体・気体とは何か?意外にあいまいです

氷が解け始めた時、中心にあって硬い部分は氷、表面でヌルヌルしている部分は液体の水になっていると考えて問題ありません。

参考「雪が降りました。滑るのは氷?ではなく水ですよ

ちなみに「とける」には、3通りの意味があります。

  1. 「溶ける」水溶液など、水に何かが混ざる場合→例:水に食塩が溶けて食塩水になる
  2. 「融ける」固体から液体になるなど、融点を超えて同じ物質の状態が変化した場合→例:アイスクリームが融ける
  3. 「とける」水溶液と金属が化学反応を起こし別の物質になる場合→例:塩酸にアルミを加えると、アルミがとけて塩化アルミニウムができ、水素を発生する

水が凍ると体積がふくらむ原理

1.通常の物質は冷えると縮む

ほとんどの物質は、温度が上がると膨張(=体積が増える)し、温度が下がると収縮(=体積が減る)します。

この原理を固体から考えてみましょう。

すべての物質は原子からできています。複数の原子が規則正しく並んで結びつくことによって固体ができます。(イメージ:〇〇〇)

固体に熱を加えると、暖かくなるので原子が振動し始めます。

すると、その振れ幅に応じて全体の体積がふくらんでいきます。これが膨張(ぼうちょう)です。(イメージ:”〇”〇”〇”)

固体が融ける温度、すなわち融点を超えると、原子同士の結びつきが崩れます。

これがいわゆる液体の状態です。原子同士のつながりが自由になるので、かたまりからユルユルした液体になるのです。(イメージ:〇 〇 〇)

液体を冷やした場合は、この逆です。ユルユルした状態から、仲間同士集まります。寒いと皆で身体を寄せ合うのと同じです。最後は密着しあいます。そして固体になります。

2.水が凍ると体積が1.1倍に増えます。

液体の水が固体の氷になると体積が1.1倍に増えます。

水は便利な物質ですが、化学的には特殊な物質です。

冷えて固体になった際に膨張するのは、身近な物質としては水が唯一かもしれません。

3.凍ると水分子のつながりが固定されます

水が凍ると体積が増える理由は、固体と液体の場合で、水分子同士のつながり方が違うためです。

科学的に水分子は、水素原子(H)2個と、酸素原子(O)1個からできています。よく言われるH2Oです。真ん中に酸素、その両脇に1個ずつ水素が結合しています。

水の場合、この3つの原子が直線状につながっているわけではありません。電気的な力によって「」の字のように、両脇の水素が少し偏ってついています。(水分子のイメージ:

そのため固体としてキレイに並ぼうとしても、直線状に並びません。すると、隙間ができてしまいます。(固体の氷のイメージ:

一方で液体(水)の場合は、分子同士のつながりが緩やかで融通が利きます。少しの隙間にも入り込むことができます。(液体の水のイメージ:

この違いによって、液体の水が凍って氷になると隙間が逆に広がってしまい、体積が増えるのです。

ちなみに複数の原子が結合してできた物質を分子と呼びます。そのため「水原子」ではなく、水分子といいます。
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氷が水に浮く理由

水に氷を入れると浮きます。これも特殊な現象です。

たとえば、水以外の物質が冷えて固体になり、それを同じ物質の液体に入れると、通常は沈みます。

水が凍って液体から固体になっても、質量(重さ)は変わりません。

何かが無くなったり増えるわけではないからです。結合の仕方、水分子同士の並び方が変わるだけです。

とはいえ体積が増えます。

そのため体積当たりの質量、これを密度(単位はg/cm3)と呼びますが、凍ると水の密度は小さくなります。

水より密度が小さいと水に浮く

液体の水の密度は1g/cm3ですが、これより密度が大きいと沈みます。逆に小さいと浮きます。

水に物が浮く・沈む、その違いは、水より密度が小さいか、大きいかで決まります。物体の大きさではありません。

つまりパチンコ玉は小さくても、水より密度が大きいので沈みます。

逆にプラスチックは、水より密度が小さいので浮きます。油が水の上に浮いて膜を張る理由も同じです。

固体の氷は、液体の水より体積が1.1倍になります。そのため密度は約0.9g/cm3になります。液体の水より密度が小さいため、氷は浮きます。

氷山の一角の意味

おおよそですが、氷全体の10%くらいが水面上、残りの90%が水中に沈みます。

いわゆる「氷山の一角」現象です。

水面下の方が体積は大きいので、氷山の本体は見かけ以上に大きく頑丈です。

そのため大きな船でもぶつかると、タイタニック号のように沈没します。北極海などで氷の閉じ込められると身動きがとれなくなる理由です。

水道管の破裂を防ぎましょう

氷になると体積が増える、この原理を知っていれば、水道管が破裂する理由もわかります。それなりの対処ができます。

基本は凍らせないことです。正しい知識があれば、被害を防げるものです。

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