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お隣韓国で平昌オリンピックが行われている2018年2月14日、「日本初」そんなニュースが流れてきました。

しかしメダルではありません。日本人選手から初めて禁止薬物の陽性反応が出ました。

つまり、ドーピングです。

本人は「身に覚えがない」と主張しているようですが、禁止薬物の一種であるアセタゾラミドが検出されたようです。

アスリートのだれもがピリピリ神経質になるドーピングや禁止薬物とは何でしょうか。

スポーツの公平性と言う観点から、ドーピングにひそむ本当の問題点について考えてみましょう。

ドーピングとは何か

ドーピングという言葉の意味

ドーピング(doping)には、次のような意味があります。

  1. 運動能力を向上させる働きがある、もしくはその疑いがあるとして禁止されている薬物
  2. 上記の薬剤を服用すること
  3. 上記の薬物を使用しているかを検査すること

英語dopeの意味

ドーピングの語源である英語のdopeには、

  • 麻薬
  • 競走馬に飲ませる刺激薬
  • 俗語として麻薬常習者

という意味があります。

英語圏の人からみれば、かなり露骨な表現です。絶対に使ってはいけないというものです。

昨今のドーピング

とはいえドーピングの歴史は長く、古代ギリシャ時代においても競技者が興奮剤を服用していました。

言い換えるなら、競争とドーピングは切り離せません。自分を奮い立たせるためです。勢いをつけるために酒を飲むことも同じです。

わたしたちに身近な物といえば、今は除外されていますが、コーヒーに含まれるカフェインも興奮剤なので、2004年まで禁止薬物になっていました。

なお2018年冬季平昌オリンピックでは、ロシアが組織的にドーピングへ関与したとして、国としての参加が認められていません。

ちょっと前に日本でも、カヌー選手がライバルに禁止薬物を故意に飲ませたとしてニュースになりました。

今後もオリンピックを含めたスポーツ界では、ドーピングについて厳しく対応していくようです。

アセタゾラミドとは

今回問題となったアセタゾラミドは、

  • 化学式C4H6N4O3S2
  • 分子量222.25g
  • 融点が258℃

水に溶けにくい性質を持つ、炭酸脱水酵素阻害薬に分類される物質です。

病気の治療薬

アセタゾラミドは日本で、

  • てんかん
  • 緑内障
  • 月経前緊張症
  • 睡眠時無呼吸症候群

などの治療薬として使われています。商品名はダイアモックスです。

ただし今回問題になった選手が、どのような経緯で服用したかは、本稿執筆時点では不明です。

利尿作用がある

一方で、アセタゾラミドには利尿作用があります。

そのため、服用することにより体重を減らせます。

またアセタゾラミドは、筋肉増強剤を体内から素早く排出するすることで、ドーピング逃れに使われる恐れがあります。

この点から、禁止薬物に指定されているようです。

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スポーツに公平性はありえるのか

禁止薬物もしくはドーピングの何がいけないのでしょうか。

参考「どこまで禁止すべきなのか?ドーピングの何が問題なのか

ひとつには、公平性が保てないという点があります。

とはいえ公平な条件で行うスポーツなど、ありえるのでしょうか。

1.スポーツは道具の良し悪しで決まる

ドーピングの問題点を簡単に言えば、不公平です。

とはいえ、スポーツに100%の公平性はありえるのでしょうか。

つまり道具に支えられている部分も大きいと考えられるからです。

たとえば、陸上や水泳・スケートなど、昨今急速にタイムが短縮されている理由として、抵抗が小さくなるウエア・シューズ・床材などの貢献も見逃せません。

そうした技術が得られる人、言い換えるとスポンサーがつく選手ほど有利です。

先日終了したドラマ「陸王」が典型例でしょう。

言ってはいけないことなのでしょうが、私がパラリンピックに共感できない理由は、そこにあります。本当にフェアなのでしょうか。

2.レーンによって条件は変わる

レーンの場所によって空気や水の抵抗は変わります。

たとえば真っ直ぐな川の水は、川岸ほど摩擦が起きるので流れが遅くなります。真ん中ほど速くなります。

つまり、競泳のプールも両サイドほど摩擦が大きくなるので、真ん中のレーンほど有利です。

陸上のピストル音も、遠くのレーンほど遅く聞こえます。

そのため、ピストルの音はダミーであり、実際には選手個々の近くで別の音を鳴らしているそうです。

そうした工夫をしないとスタートにばらつきがでるので、不公平です。

3.競技場の環境条件で0.1秒変わる

タイムを争う競技の場合、環境条件で0.1秒は簡単に変わります。

ちょっとした環境の違いで、タイムは変わります。

そのため過去の記録を上回ったとしても、公平な比較にならないので参考記録にすぎないでしょう。

よく言われるのが陸上競技における追い風参考記録です。

追い風があれば速くなり、向かい風なら遅くなるのは、誰でもわかることです。

スキージャンプでは逆に、向かい風が浮力を高めるには有利です。

そのため平昌オリンピックでは、選手のスタート時に向かい風なら減点、追い風なら加点するハンディが考慮されました。

標高・気圧

スケート競技では、標高が100メートル上がるとタイムが0.1秒速まると言われます。

野球のボールも標高が高いほど飛びやすくなり、高いところにある球場はバッター有利とされています。

低気圧が近づいた場合も速くなるようです。

4.ハンディを含めてスポーツです

本当に公平性を問いたいのなら、常に同じ競技場で行い、すべての選手に同じ道具を使わせるべきです。

それでも身長や足の形なども違うので、言い出したらキリがありません。

足が長い方が絶対に有利ですが、それは加点や減点されません。

しかし、そうしたハンディを含めて、スポーツです。

小さい日本人が大きい欧米人に勝つから感動するのも事実です。

極端に言えば、過去や他人と比べること自体が無意味なのかもしれません。薬物による違いも、ハンディと考えるべきでしょう。

選手が自分の身体を傷めてはいけないのか

禁止薬物は、アスリート本人の身体を傷めることもあります。必ずしも健康にいい物質ばかりではありません。

とはいえ昨今のトレーニング方法自体が、選手の身体を酷使しています。

かつてに比べて、ケガをする選手が増えているように思えます。

高校野球にありがちですが、

「腕の骨が折れてでも、そこで選手生命が絶たれても、最後まで投げぬきたい!」

そうした思いは、頂点を目指す人なら誰でもあるはずです。

実際に骨が折れていたにもかかわらず、代わりがいなかったので、最後まで投げぬいたピッチャーがいました。

一部の禁止薬物には、疲労回復を早める作用があります。例えばロシアのカーリング選手で新たに陽性反応が出ましたが、そこで使われていたメルドニウムがそうです。こちらも本人は使用を否定していますが、本人の了承を得ずに禁止薬物を飲まされていたのなら論外です。しかし本人が副作用を含めて自覚しているならば、服用を禁止する必要はあるのでしょうか。

ドーピングをどこまで制限すべきか

不公平、健康被害などを考えれば、禁止薬物を使うべきではないでしょう。

しかし、どこまで禁止薬物を制限すべきなのでしょうか。私たちの身の回りには、多くの禁止薬物があるからです。

たとえば、気管支拡張作用のあるエフェドリンは禁止薬物に指定されています。

気管支が広がれば、呼吸がしやすくなるのでアスリートに有利だからです。

似た作用のある漢方薬の麻黄(まおう)もアスリートなら使えません。

しかし、麻黄は喘息の治療薬です。もちろん別の薬もあるでしょうが、病人はスポーツをするな、ということでしょうか。

2011年にはプロ野球でも、当時中日ドラゴンズに所属していた井端選手は、目の治療薬としてステロイド系アレルギー薬のプレドニゾロンを使っていました。

禁止薬物ということで罰金を払ったようです。

アスリートはギリギリのところで頑張っています。治療薬までを禁止されたらかわいそうです。

プロテインが禁止されないのは矛盾しないか

究極の筋肉増強剤とも言えるのがプロテインです。ボディービルダー必須のサプリメントだからです。

筋肉がムキムキになります。

最近は、タンパク質の源であるアミノ酸系サプリも多く売られていますが、これらは禁止薬物に指定されていません。なぜでしょうか。

もちろんプロテインは「薬物」ではないからでしょう。

これを禁止したら、牛乳を飲めないし、肉や魚も食べられません。

では薬物とは何でしょうか。

人工的なものがいけないという考え方もおかしなものです。天然素材の方にこそ毒成分は多いからです。

ドーピングを問題視する本当の意味は何か

ドーピングは、カヌー選手の事件で見られたようにライバル選手へ故意に服用させて、相手を失格させる、悪い印象を与えるための道具になっているように思えてなりません。

ちなみに、ドーピング検査はランダムに抜き打ちで行うこともあるようですが、女子フィギュアの金メダル候補ザギトワさんは、ドーピング検査のために練習を中断させられたようです。これって、本当に偶然なのでしょうか。練習後ではいけなかったのでしょうか。疑問です。

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