
天体観測と言えば望遠鏡が必要だと思い込んでいませんか。
眠らない街・新宿などのような常にネオンで明るい一部のエリアを除けば、日本中どこでも、肉眼で星を見ることは可能です。
高層ビルの間からも、満月は見えます。あきらめずに天体観測を趣味にしてみませんか。
ひとつの星座がわかれば、そこからたどっていくことで、違った星座を探せます。
参考「望遠鏡がなくてもできる天体観測をはじめよう!1.準備編」
目次
星座を探すコツ
絵をイメージする
星座を探すにはコツがあります。
先人が星座を作ったように、絵をイメージすることが大切です。
形をイメージする、思い込むことによって、自然と、その形に見えてくるから不思議です。
図鑑や星座早見表を使ってイメージする
星を見ながら絵をイメージするには、図鑑や星座早見が手元にあると重宝します。
子供用とはいえ、最近の図鑑はあなどれません。下記ページを参考にして図鑑を選んでみましょう。
参考「親子で学べる宇宙に関する本を紹介:幼児から小学校低学年向け」
もちろん、今ならスマホのアプリが便利です。
とはいえ絵から自分の頭でイメージすること、想像力を高めることが、星を観測する際には重要だと思います。
北に輝く代表的な星や星座を探そう
日本は北半球に位置します。そのためほぼ真北の位置に、北極星が輝いています。
この原理を元にして北の空をまず眺め、代表的な星座を探しましょう。
周辺の建物や地形にもよりますが、北の空に見える星は、一晩中沈まない星がほとんどです。
1.北斗七星(おおぐま座)
柄杓(ひしゃく)の形に見えるのが北斗七星です。柄杓星と呼ぶこともあります。
北斗七星は、おおぐま座の一部です。腰から尻尾にかけてに該当します。
言い換えると、おおぐま座は、大きすぎて確認するのは難しいでしょう。
そのため、北斗七星をしっかりと把握しましょう。
そこから少しずつイメージを広げていくとわかりやすそうです。
見つけやすい日時
北斗七星を見つけやすい日時は、以下の通りです。
この日時にはほぼ真北で角度的には、頭の上を90度、地平線を0度とした時、約66度の高さ、首の体操で頭を上に傾けた程度の眼先に見えるでしょう。
- 3月26日の23時
- 4月10日の22時
- 4月25日の21時
- 5月10日の20時
- 5月25日の19時
以降夏は、真北に来る時間帯が夕方から昼になるので見えません。
しかし、
- 12月9日の朝6時
- 12月24日の5時
- 1月9日の4時
- 1月24日の3時
- 2月8日の2時
- 2月23日の1時
- 3月11日の0時(24時)
には真北に見えるようになります。
以後、参考にしてください。
2.カシオペヤ座
Wの形をしているのがカシオペヤ座です。
これを目安に見つける方法があります。この時はW型です。
見つけやすい日時
カシオペア座が北極星の真上、約66度の角度に来る日時は次の通りです。
この時は、M型に見えます。
- 7月8日の朝6時
- 7月23日の5時
- 8月8日の4時
- 8月23日の3時
- 9月7日の2時
- 9月22日の1時
- 10月8日の0時(24時)
- 10月23日の23時
- 11月7日の22時
- 11月22日の21時
- 12月7日の20時
- 12月22日の19時
- 1月6日の18時
以降は夕方から昼に上るので、カシオペヤ座は見えなくなります。
3.こぐま座
北極星が含まれる星座が、こぐま座です。
こぐま座の尻尾の先端が北極星です。
こぐま座は、7つの星からできており、小さな柄杓型をしています。
そして北斗七星と、ほぼ反対向きをしています。
こぐま座を構成する星の中で北極星と、その一番反対側にある星は2等星です。
しかし、それ以外は3等星以下なので、よほど暗い場所以外では、見つけられないかもしれません。
とはいえイメージすれば、母クマを追いかける子グマが見えるかもしれません。
4.ぎょしゃ座
冬の星座に分類されますが、ぎょしゃ座にあるカペラは0等星なので、とても目立ちます。
ぎょしゃ座は、北斗七星とカシオペア座の間にあります。
カペラは明るい星なのですぐにわかるでしょう。
そこから5つの星を結んで、五角形が見えます。いわゆる、ぎょしゃの五角形です。
他の星は2等星以下なので見えづらいですが、こちらも五角形を意識すれば、すぐにわかるかもしれません。
見つけやすい日時
カペラが北極星のほぼ真上、つまり真北に来る日時は、次の通りです。
- 9月13日の朝6時
- 9月28日の5時
- 10月13日の4時
- 10月28日の3時
- 11月13日の2時
- 11月28日の1時
- 12月13日の0時(24時)
- 12月28日の23時
- 1月13日の22時
- 1月28日の21時
- 2月12日の20時
- 2月27日の19時
- 3月14日の18時
以降は夕方から昼に上るので見えなくなります。
5.こと座
その中にある一等星のベガ(いわゆる織姫星)は、ぎょしゃ座のカペラの対極、夏にほぼ頭の真上(天頂)に来ます。
つまり北斗七星が北西、カシオペヤが北東にある時、北極星の真上に来ます。
見つけやすい日時
ベガが、自分のほぼ真上に来る日時は、次の通りです。
- 4月2日の朝6時
- 4月17日の5時
- 5月2日の4時
- 5月18日の3時
- 6月2日の2時
- 6月17日の1時
- 7月3日の0時(24時)
- 7月18日の23時
- 8月2日の22時
- 8月17日の21時
- 9月1日の20時
- 9月16日の19時
- 10月1日の18時
- 以降夕方から昼にうつります。
北の空を眺めよう
日本から見える星は、北極星を中心に回っています。
そのため北の空に輝く星を知ることが、天体観測の基本になります。
まずは、北の星空を眺めてみましょう。
北の方角は、方位磁針を使っても分かりますが、太陽が昼の12時に来る場所が真南なので、その反対側です。
昼間に印をつけておけば、北極星が意外と簡単に見つかるかもしれません。