
酸性やアルカリ性という言葉をよく見聞きしますが、具体的にどのような性質か知っていますか?
小学校の理科で勉強し、中学入試の問題には必ず出てくる内容です。
また、テレビのCMでは「弱酸性」「酸が効く」などのフレーズでおなじみですね。
しっかり理解しておくと、日常生活でも役立つでしょう。
目次
酸性とは
(1)試薬に対する反応
酸性とは、青色のリトマス紙を赤色に変える性質です。
酸性の水溶液にBTB溶液を加えると、黄色に変化します。
(2)代表的な酸性水溶液
小学校で学ぶ代表的な酸性の水溶液は、
- 塩酸
- 酢酸(さくさん:料理に使う「す」の成分です)
- 炭酸水(二酸化炭素が溶けています)
- ホウ酸水
などです。
その他に身近な酸性物質には、
- レモン汁
- トイレ用洗剤
などがあります。
(3)酸っぱい味がする
一般的に、酸性のものは酸っぱい味がします。(危険なので、絶対になめてはいけません)
ただし、炭酸水は味がありません。
(4)鼻にツンとくる臭いがある
酸性のものは、酢のように鼻にツンとくる臭いがあります。(危険なので、直接かいではいけません)
(5)触るとピリピリする
酸性のものは、触るとピリピリ、ヒリヒリと肌が痛くなります。(危険なので、絶対に触ってはいけません)
塩酸など強い酸性物質に触れると肌や体がとけてしまうことがあります。注意しましょう。
(6)電気を通します
酸性の水溶液は電気を通します。特に酸性が強いほど、よく電気を通します。
(7)酸性の定義
難しいので高校生になったら学びますが、酸性の定義は次のとおりです。
水に溶かした時、オキソニウムイオンと呼ばれる物質を発生させる化合物を酸と呼び、その化合物を含む水溶液が持つ性質を酸性と言います。
(8)pHは1~6
pH(ぴーえいち)という基準を使うと、弱い酸性はpH6、だんだん強くなると数字が小さくなり、最も強い酸性はpH1です。
おおよそですが、
- トイレ用洗剤や塩酸はpH1
- レモン汁はpH2
- 食酢はpH3
- 炭酸飲料はpH4
- 酸性雨がpH5
くらいと言われています。
(9)その他の性質
酸性の水溶液は、アルカリ性の水溶液と反応すると中和して中性の水溶液を作ります。
塩酸などの強い酸性物質は、アルミニウムや鉄などと反応して水素を発生させます。
アルカリ性とは
(1)試薬に対する反応
アルカリ性とは、赤色のリトマス紙を青色に変える性質です。
アルカリ性の水溶液にBTB溶液を入れると、青色に変化します。
また、フェノールフタレイン液を加えると赤くなります。
(2)代表的なアルカリ性水溶液
小学校で学ぶ代表的なアルカリ性の水溶液は、
- 水酸化ナトリウム水溶液
- 石灰水(水酸化カルシウムが溶けています)
- アンモニア水
- 重曹水(じゅうそうすい:炭酸水素ナトリウムが溶けています)
などがあります。
(3)味は苦い
一般的に、アルカリ性のものは苦い味がします。(危険なので絶対になめてはいけません)
(4)共通した臭いはない
アルカリ性に、共通した臭いなどはありません。
ただし、アンモニア水は鼻にツンとくる強い臭いがあります。
(5)触るとヌルヌルする
アルカリ性のものは、触るとヌルヌルします。(危険なのでやってはいけません。強いアルカリ性に触ると皮膚がとけます。)
たとえば、石けん水もアルカリ性です。
(6)電気を通します
アルカリ性の水溶液は電気を通します。アルカリ性が強いほど電気をよく通します。
(7)アルカリ性の定義
難しいので高校生になったら学びますが、アルカリ性の定義は次のとおりです。
水に溶かした時、水酸化物イオンと呼ばれる物質を発生させる化合物を塩基(えんき)と呼び、水に溶けやすい塩基をアルカリと言います。その化合物を含む水溶液が持つ性質がアルカリ性です。
(8)pHは8~14
pHという基準を使うと、弱いアルカリ性はpH8、だんだん強くなると数字が大きくなり、最も強いアルカリ性はpH14です。
おおよそですが、
- 重曹水はpH8
- 石けん水はpH9
- アンモニア水はpH11
- 水酸化ナトリウム水溶液や換気扇用洗剤がpH13
くらいだと言われています。
(9)その他の性質
アルカリ性の水溶液は、酸性の水溶液と反応すると中和して中性の水溶液を作ります。
酸性・アルカリ性には危険な物質が多いので、取扱い注意!
酸性やアルカリ性の物質は、触ったり、臭いをかぐだけでも危険なことがあります。
絶対に安全と言われるもの以外は、近づかないようにしましょう。
「まぜるな危険」と書かれた洗剤を混ぜると有毒ガスが発生することもあります。取扱いには注意しましょう。