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天気予報などで聞く、フェーン現象という言葉をご存じでしょうか。

フェーン現象は、山火事などの大火災、猛暑を引き起こす原因になります。

このように身近に災害を起こす可能性があるフェーン現象は、どのような原理・しくみで起こるのでしょうか。

ここではフェーン現象の原理やしくみについて、わかりやすく解説します。

フェーン現象とは

フェーン現象とはどんな現象をいうのか、ここではそれを解説していきます。

1.フェーン現象とは

フェーン現象とは、高い山の上から麓(ふもと)に向かって、熱く乾いた空気が流れ込んでくる現象です。

それによって強い風が吹いたり、気温が急激に上昇したりします。

2.名前の由来

フェーンとは、英語で「foehn」と書きますが、元はドイツ語の「Föhn」です。

元々の意味は、ヨーロッパの大きな山脈であるアルプス、その北側斜面から吹き降りてくる、地域特有の乾いた熱い風のことでした。

似たような現象が世界中にあるため、どこでもフェーンと呼ぶことになったようです。

日本語で風炎(ふうえん)と書くこともあります。

フェーン現象が起きると大火事が起きやすくなるので、単なる当て字ではなく、深い意味を持っていると言えるでしょう。

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フェーン現象の起こる原理・しくみ

ここでは、フェーン現象が起こる原理・しくみを図を交えながらわかりやすく解説します。

1.標高が上がると気温が下がる

気温は、標高の高いところほど低くなる傾向があります。

晴れて雲がない場合で平均すると、標高が100メートル上がるごとに、気温は1℃下がります。

2.気温が下がると雲ができる

海面から水蒸気を吸い上げた湿った風(空気)が山に当たると、山に沿って上昇します。

すると、標高が上がるので気温が下がります。

気温が下がると水蒸気が水滴に変わります。それが雲です。

つまり、空気の温度である気温が下がると、雲ができます

3.雲ができると気温が下がりにくい

雲ができると、気温が下がりにくくなります。

そのため、晴れて雲がなければ標高が100メートル上がるごとに1℃下がっていた気温は、0.5℃しか下がらなくなります。

雲ができると気温が下がりにくい理由は、空気に比べて水は温まりにくく冷めにくい性質があり、温度が変わりにくいからです。

4.雲の水滴は、山の斜面で雨や雪になる

雲になった水滴は、山を越える前にほとんどが雨や雪となってなくなります。

そのため山を越えるときには、雲がほとんどなくなります。

5.山頂を越えた風は乾燥する

山を越える前に雨や雲になったので、山を越えた風(空気)には水分がほとんど残っていません。

そのため、山を越えた空気は乾燥します。

水分がなく雲ができないので、山の反対側は晴天です。

6.風下側では標高が下がるにつれて温度が上がっていく

風下側では晴れているので、標高が100メートル下がるごとに気温が1℃上がります

風上で湿った風(空気)が上昇するときは、気温が100mごとに0.5℃しか下がっていませんでした。

一方、風下で乾いた風(空気)が下降するときは、気温が100mごとに1℃上がっているので、倍のペースで気温を上げながら風が山を下っていきます。

その結果、風上側のふもとで測った気温より、風下側のふもとで測った気温の方が高くなる現象が起こります。

これがフェーン現象です。

なお、具体的な気温や計算方法については、下記を参照してください。

参考「テストに出るフェーン現象、理科問題の解き方!中学受験と中学校理科用

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フェーン現象の種類

フェーン現象には、2種類あると言われます。

1.湿ったフェーン

一般的に言う場合のフェーン現象は、湿ったフェーンです。

空気が山の斜面にそって上昇するにともない、冷えて水滴ができる。

つまり湿った状態になるので、湿ったフェーンと呼ばれます。

2.乾いたフェーン

山の上空に初めから冷えた空気がある場合、この空気が山を下って高温になることがあります。

雨や雪をともなわないことが多いので、乾いたフェーンと呼ばれます。

台風や低気圧が通過した際などに起きやすいようです。

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フェーン現象が起こるとどうなる

1.猛暑日になるほど気温が上がる

フェーン現象が起きると、異常なほど気温が上がります。場合によっては35℃を超える猛暑日になることもあります。

2.風が強くなる

一般的に、フェーン現象が起きると風も強くなります。

わかりやすい例は、2016年12月22日に新潟県の糸魚川市で起きた大火災です。

山から吹く風によって、火事の被害が広がりました。

このときもフェーン現象が起きていた可能性が指摘されています。

3.空気が乾燥する

フェーン現象の原理から考えると、風下には乾いた風が吹いてきます。

そのため、フェーン現象が起きると空気が乾燥します

言い換えると、フェーン現象が起こると湿度が下がります

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フェーン現象が起こりやすい季節・タイミング

フェーン現象に起こりやすい季節やタイミングはあるのでしょうか。

1.フェーン現象は春に起きやすい

フェーン現象が起きやすい特定の季節はありません。夏でも冬でも起きます。

しかし、太平洋側から急に暖かい空気が流れ込むことの多い春に起きやすいとも言われています。

2.台風の後に起こりやすい

台風の後にもフェーン現象は起きやすいと考えらえています。

具体的には2017年8月6日、島根県益田市で39.3℃を記録したときです。

これは前日に通過した台風5号により、フェーン現象が発生したからです。

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フェーン現象が起こりやすい地域

フェーン現象が起こりやすい地域はあるのでしょうか。

1.日本海側で起こりやすい

フェーン現象は、高い山があれば、どこでもその両側で起きる可能性はあります。

しかし、日本海側の方がフェーン現象が起こりやすいようです。

たとえば山形県山形市で1933年7月25日に40.8℃という気温を記録しました。

これは、フェーン現象が一因だと考えられています。

ちなみにこのときの40.8℃は、2013年8月12日に高知県四万十川市で記録した41.0℃に抜かれるまで日本記録でした。

2.日本海側で起こりやすい理由

日本海側でフェーン現象が起きやすい理由は、日本の北側にある日本海よりも、南側にある太平洋から吹く風の方が、高温になりやすいためです。

3.からっ風もフェーン現象の一種です

太平洋側でもフェーン現象は起きます。

しかし太平洋側は日本海側に比べて、通常でも気温が高い状態にあります。

そのため、フェーン現象が起きていたとしても温度上昇を感じにくいようです。

たとえば冬の関東地方は、ほとんど雨が降らず空気が乾燥します。

これは、日本海側で大雪を降らせた風(空気)が、山を越える前に水蒸気をなくしてしまうからです。

この山から関東平野に吹いてくる強い風を、からっ風と呼びます。これも一種のフェーン現象です。

2018年猛暑の一因

2018年7月から始まった、連日35度超えの猛暑は8月になっても続いています。

この猛暑の原因の一つにもフェーン現象が挙げられているのです。


2020年の東京オリンピックの猛暑も危惧されています。

気象庁も異常気象と発表

2018年7月の大雨や猛暑を総括した気象庁は、異常気象だったと発表しました。


ただし、このような気候でも10年続けば、平年並みになります。

参考「天気予報で聞く平年とは何か?異常気象も10年後は「平年並み」になる

フェーン現象が起きたときの注意点

フェーン現象は、急激な温度上昇をもたらします。猛暑日になることもあるため、熱中症に気を付けましょう。

強風を伴うことがあるので、火事が起きると被害を広げることもあります。

天気予報でフェーン現象が起きると言われたら、火の取り扱いに注意しましょう。

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