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オーディオ業界における企業再編は一段落したのでしょうか。
かつて家電業界の一躍を担っていた旧ビクターは今、
JVCケンウッドとして、地道にオーディオ機器を作り続けています。
なかでも拘りは、スピーカーのウッドコーンです。
なぜ木を選んだのか。
そして現在でも選ばれ続けるにはどんな理由があるのでしょうか。

ウッドコーンとは何か

ステレオ装置で使われるスピーカーには、
コーンと呼ばれる円柱状の部品があります。

電気信号が音として伝わる部分です。
ある意味では、スピーカーの要です。
ここの材質や形状如何によって、音が大きく変わります。
現在一般的になっている素材は紙、ポリプロピレン、
さらにファイバー系などがあります。
紙はリアルに音が現れるとも言われます。
ポリプロピレンはジャンルに拘らないと評判です。
ファイバー系はCDなどのデジタル音にも対応するので、
昨今増えつつあるようです。
そして木を使ったタイプがウッドコーンです。
音の再現性が高いとして専門家からも好感されています。

ウッドコーン開発の歴史

JVCがウッドコーンの開発を始めたのは1970年代です。
「木で作られた楽器のような美しい響きを、スピーカーで再現したい」
そんな着想からスタートしたようです。
もちろん試行錯誤の繰り返しです。
つまり薄くした木材は簡単に壊れてしまいます。
特に日本は季節によって湿度変化が大きいですね。
そのため割れる、ひびが入る、変形する!
これを抑えられませんでした。
しかしある時「スルメは日本酒に一晩浸すと柔らかくなる」
この話にヒントを得て、日本酒に浸してみました。
なんとひび割れを起こさないウッドコーンが、
1990年代に完成したのです。
さらに改良を加え2003年、初号機が発売されました。
10年以上経った現在は、ハイレゾにも対応しています。

ウッドコーンのメリット

ずばりウッドコーンを使うメリットは、どこにあるのでしょうか。

1 楽器と同じ響きになる

楽器には木製が多いですね。
ギターやバイオリンなどの弦楽器やピアノは木製です。
ならばスピーカーを木製にすれば、同じような響きになるはず!
自然な着想ですね。
実際にウッドコーンを使うと臨場感があります。
目の前で楽器を弾いている感覚が得られます。
まさに開発者が目指していたものが実現したのです。

2 理想的な振動板だった

スピーカーに使う振動版には様々な種類があります。
しかし科学的に音の伝搬速度を調べてみると、
木材はアルミなどの金属と遜色ないほどでした。
特にカバが良いようです。
一方で紙やポリプロピレンで顕著な音の内部損失が、
金属と同様に少ないのです。
これらのことから総合すると、
木ほど振動板の素材として理想的なものはないと言えるようです。

3 意外な音響特性があった

作ってみてわかったようですが、
木には意外な音響特性がありました。
つまり木目です。
木目の向きによって音が伝わっていく速さが違います。
そのため微妙に音がずれます。
とはいえこれこそが自然な音になるのです。
ちなみに金属などの均質素材を使うと、
共振と呼ばれる現象が問題とされていました。
共振は変なノイズを生む原因になっています。
天然素材であり均一ではない木材だからこそ、
共振を低減し滑らかな音響特性を生んだのです。

4 インテリアにも合う

洋室が増えたとしても、日本人にはやはり木が合いますね。
ワンポイントではありますが、
スピーカーのウッドコーンが見えると、落ち着きます。
もちろん安くはない製品ですが、
使わない時はインテリアとしても使えます。
あっても損はないアイテムです。

ウッドコーンに期待するもの

音の専門家でもある音楽家が、
ウッドコーンに関心を示し始めています。
いくつかのコラボもあるようです。
そうやって意見を出し合い、
ウッドコーンは今度もより進化しいくのでしょう。
5年後10年後のウッドコーンに期待するものは何か。
ハイレゾを越えた、より臨場感のある音の再現です。

原音を探す旅に終わりはありません。

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